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「なぜ、あの社長には優秀な人材が集まるのか」 刊行によせて(2)

超一流のリーダーの「言葉の設計図」を紐解く

12月18日に新著「なぜ、あの社長には優秀な人材が集まるのか 超一流のリーダーの言葉の設計図」が出版されることになりました。
すでに主要オンライン書店では予約注文可能になっています。
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様々な人を惹きつけ、動かすことで変革をリードする超一流のリーダーは、言葉を発する前に何を考えているのか。本書では、こうしたリーダーの思考回路を紐解きながら、コミュニケーションが重要な経営機能の一部であり、リーダーが(丸投げせずに)自ら率先して考え、取り組むべきであるということを、様々な事例も織り交ぜて解説しています。本のエッセンスを知りたいという方のために、出版社からの許諾を得て、以下に本書の「はじめに」の全文を掲載いたします。

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はじめに

「自分たちの技術力、商品力は決して劣っていないのに、なぜ売れないのだろう。このままでは会社の将来は先細りだ」
「号令をかけても、現場が動いてくれない。もっと危機感を持ってほしいのに」
「いい人材がなかなか集まらない。いずれ現状を維持することすらおぼつかなくなるのではないか」

あなたはそんなふうに感じていませんか。
私自身も社長をやってみてわかりましたが、「こうやって仕組みやプランをつくっていけば大丈夫」と思っていても、それを実行に移そうとした途端に、当初の想定を根底から揺るがされるような話が次から次へと起こります。「いい加減にしてくれよ」と何度思ったかしれません。

そんななかで心に刺さった言葉がありました。それは、マイクロソフト会長兼CEOのサティア・ナデラさんの著書『Hit Refresh』(日経BP)にある次の一節です。

「リーダーになりたいなら、肥だめの中にバラの花びらを見つけることだ」

目の前に課題が山積し、暗く先の見えない、一見「八方ふさがり」のような厳しい現実を「肥だめ」と表現したナデラさんの言葉に「あのナデラさんでさえ、そうなのか」と衝撃を受けるとともに、しみじみと共感を覚えました。同時に、「苦しい現実の中でも希望を見出し、皆を勇気づけて進むべき方向を指し示すことこそがリーダーの仕事だ」と、あらためて強く思いました。

デジタル化やグローバル化が急速に進む今、私たちを取り巻く環境は日々大きく変化しています。業界や業種の壁は崩れ、人材の流動化もますます加速していきます。思いもよらない競合の出現や国際情勢の急転などで、従来のビジネスの前提が一変することも珍しくなくなりました。誰もが現状維持に汲々としているだけでは、あっという間に「八方ふさがり」の状態に追い込まれかねません。

このような時代の大きな転換点において、ただただ「安くて良い商品なので買ってください」とか、「待遇の良い会社なので入社しませんか」「ボーナスを出すから頑張って仕事して」などと連呼しても、だんだん効き目がなくなってきています。先の見えない今の時代、社長だけでなく、お客様も社員も、誰もがどこに向かって進んだらいいのかわからず戸惑っています。これまで「当たり前」と思われていた枠の中だけで考え、発せられた「カイシャの言葉」は、相手に飽きられ、響かなくなってきているのです。

そんな「八方ふさがり」に見える時代のなかにあっても、超一流のリーダーたちは、そこにいち早く「一筋の希望の光」を見出しています。そして、目の前にある「困難で不透明な状況」を切り開いていくために、「自分たちはどこへ向かうのか」をリーダー自身の言葉で、何度も繰り返し熱く語っています。

「うまい言葉」で話すから人が動くのではありません。超一流のリーダーは、人の意識や行動に変化を起こす「言葉の設計図」に従って自ら考え抜き、自分自身の言葉を組み立てています。その言葉をリーダー自身が本気で語ることで、社員を動かし、お客様や株主を動かし、会社を成長させ続けているのです。本書では、そうした超一流のリーダーたちのアタマの中にある「言葉の設計図」を紐解いていきます。

私は過去25年余りにわたり、企業や組織の経営に関わる戦略コミュニケーションという土俵で、コンサルタントと企業経営の両面から、数々の超一流のリーダーと接しながら仕事を続けてきました。過去には、自身で会社を代表して大規模お詫び会見に登壇したこともあります。現在は、PR/コミュニケーション・コンサルティング世界最大手の一つであるフライシュマン・ヒラードの日本法人の代表として、国内外の企業の課題解決を支援しています。

そのなかで感じるのは、「変わらなければならない」と危機感を持ち、「成長の未来地図」を描いたものの、その実現のためにお客様や社員を動かしていくところでつまずき、悩んでいるリーダーが多いことです。優れたアイデアやそれを支えるユニークな強みがあっても、「あそこにバラの花びらがある」とリーダー自身が一歩も二歩も踏み込んで語らなければ、その価値は相手に届きません。その結果、多くの人に振り向いてもらえずに埋もれてしまっているのは、とてももったいないことだと私は感じています。

リーダーは全知全能である必要はありません。ただ、「あの人が言うのなら信じてみよう」と思ってもらえるだけの言葉を自ら語る必要があります。それは、誰かがつくってくれるものではなく、これまでの生きざま、実績、信念などを裏付けに、「全身全霊」で生み出した言葉でなければなりません。

あなたの中にも、まだ言葉になっていない「バラの花びら」があるはずです。それを言葉にし、あなた自身が語ることで、共鳴した仲間が集まり、新しい未来をつくっていく。その一歩を一緒に踏み出していきましょう。

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